日本人が知らず知らず使っているフランス語

はじめに

フランス語を全く知らない日本人でも、日本で普段なにげなく使っているカタカナが実はフランス語だったりする場合がよくあります。

中には日本では通じるけれど、発音や意味が本来のフランス語とは異なり、フランスでは通じない和製フランス語も多くあります。

というわけで、今回は日本人が知らず知らず日本で使っているフランス語をいくつかご紹介したいと思います。

スイーツ関連

マカロン(macaron)
砂糖と卵白とアーモンドを使ったフランスの代表的な焼き菓子。
 
ミルフィーユ(mille feuilles)
mille は「千の」、feuilles は「葉」で「千枚の葉」という意味。本来の発音は「ミルフイユ」が近い。「ミルフィーユ」と発音すると「mille filles(千人の女の子)」という意味になってしまう。
 
モンブラン(mont-blanc)
mont は「山」、blanc は「白」で「白い山」という意味。
 
エクレア(éclair)
éclair は「稲妻」の意味。本来の発音は「エクレール」に近い。発音記号【eklɛːʁ】
 
ガトーショコラ(gâteau au chocolat)
gâteau は「ケーキ」、chocolat は「チョコレート」の意味。
 

タルト(tarte)

クリーム・ブリュレ(crème brûlée)
brûlée は「焦げた」という意味なので「焦げたクリーム」という意味。本来クリームはフランス語で「クレーム」と発音する。
 
ブッシュ・ド・ノエル(bûche de Noël)
bûche は「薪」、Noël は「クリスマス」という意味。
 
パフェ(parfait)
parfait は「完全な」という意味だけれど、お菓子のパフェも意味する。
 
ムース(mousse)
mousse は「泡」という意味。泡立てた卵白とクリームで作るお菓子。
 
ババロア(bavarois
本来の発音は「バヴァロワ」が近い。bavarois は「バイエルンの」という意味。
 
クレープ(crêpe)
そば粉を使ったクレープは「ガレット(galette)と呼ばれる。
 
マドレーヌ(madeleine)
貝殻の形をしたフランス発祥の焼き菓子。
 
シュークリーム(chou à la crème)
chou は「キャベツ」の意味。キャベツの形に似ていることが名前の由来。フランス語では「シュー・ア・ラ・クレーム」。
 
クロワッサン(croissant)
croissant は「三日月」の意味。名前の由来はパンの形から来ている。
 
フランボワーズ(framboise)
ラズベリーのこと。

料理&飲み物関連

ポトフ(pot au feu)
pot は「鍋」、feu は「火」という意味なので「火にかけた鍋」という意味。
 
フォアグラ(foie gras)
foie は「肝臓」、gras は「肥満した」という意味。
 
トリュフ(truffe)
高級食材のキノコですが、形が似ていることからトリュフというチョコレートも存在しますね。
 
テリーヌ(terrine)
すり潰した魚や肉、野菜などを混ぜて蒸し焼きにしたフランス料理。前菜として出されることが多い。
 
グラタン(gratin)
フランスのドーフィネ地方が発祥。フランスではグラタンドフィノアというジャガイモだけのグラタンが有名。
 
ベシャメル(béchamel)
フランス料理によく使われるホワイトソース。
 
アペリティフ(apéritif)
「食前酒」のこと。
 
ブイヨン(bouillon)
肉や野菜を煮込んだときにできる出汁、スープ。
 
ポタージュ(potage)
「スープ」の意味。コーンは英語ですが、日本ではコーンポタージュとか言いますね。
 
カフェオレ(café au lait)
café は「コーヒー」、lait は「牛乳、ミルク」という意味なので、「ミルクの入りのコーヒー」という意味。

ファッション関連

プレタポルテ(prêt-à-porter)
prêt は「準備のできた」、porter は「身に着ける」という意味なので、「既製服」の意味。
 
オートクチュール(haute couture)
haute は「高い」、couture は「裁縫」という意味なので、「高級服」という意味。
 
アンサンブル(ensemble)
音楽用語で「2人以上で一緒に演奏すること」という意味もありますが、「一揃いの、セット」の意味もあるので、ファッション用語では「セットになった服や装飾品」といった意味。
 
ムートン(mouton)
「羊の毛皮」という意味。日本ではムートンブーツとかよく言いますね。
 
ネグリジェ(negligé)
[だらしない身なり」という意味で、寝るときに着る「ワンピース型の寝間着」の意味。
 
シニョン(chignon)
束ねた髪を後ろやサイドでまとめたヘアスタイル。

芸術関連

アバンギャルド(avant-garde)
軍事用語で「前衛部隊」の意味ですが、思想や芸術、ファッションなどの分野においては「最先端」という意味。
 
デッサン(dessin)
素描のこと。
 
クレヨン(crayon)
フランス語では「鉛筆」の意味。日本でいうクレヨンはフランス語ではpastel(パステル)になる。
 
オブジェ(objet)
物、物体の意味。
 
アール・デコ(art déco)
1910年代から30年代にかけて流行した芸術様式。直線的なデザインが特徴。
 
アール・ヌーヴォー(art nouveau)
19世紀末から20世紀初めに流行した芸術様式。花や植物の模様や曲線的なデザインが特徴。

 

その他

ラルクアンシエル(l’arc en ciel)
arc は「弓、弧、アーチ」で、ciel は「空」という意味なので、「虹」という意味。日本の有名ロックバンドのグループ名にもなっていますね。
 
ブーケ(bouquet)
花束のこと。
 
マルシェ(marché)
市場のこと。
 
メゾン(maison)
家や建物のこと。
 
サロン(salon)
応接間のこと。お店の名前などによく使われていますね。
 
コンシェルジュ(concierge)
建物やアパートの管理人のこと。本来の発音は「コンスィエルジュ」が近い。
 
ビュッフェ(buffet)
日本では「立食料理」の意味でよく使われますが、フランス語では立食料理の他に「食器棚」という意味でも使われる。
 
ルージュ(rouge)
「赤い」という意味ですが、日本では「口紅」という意味でも使われる。フランス語で口紅は rouge à lèvres になる。
 
アラモード(à la mode)
「流行の、流行りの」の意味。
 
ランデブー(rendez-vous)
日本では「デートの約束」という意味で使われる場合が多いが、フランス語では歯医者の予約だったり、「約束」全般をさす。
 
デジャヴ(déjà vu)
déjà は「既に」、vu は voir(見る)の過去分詞なので、「既に見たもの」「既視感」の意味。本来のフランス語の発音は「デジャヴュ」が近い。日本では英語の発音で「デジャヴ」や「デジャブ」といったりする人が多い。
 

おまけ

♪ オーパキャマラド オーパキャマラド オパオパオパ ♪

これは和製フランス語ではありませんが、日本人が知らず知らず使っているフランス語ということでご紹介したいと思います。

日本でも有名な童謡「クラリネットをこわしちゃった」のサビの部分は実はフランス語

元々はフランスから来た曲でフランス語では「J’ai perdu le do de ma clarinette」という題名。

♪ au pas camarade, au pas camarade, au pas, au pas, au pas ♪

au pas は「並足で」、camarade は「仲間、友達」という意味。

この曲の原曲は「 La chanson d’oignon(玉葱の歌)」というフランスの軍歌、行進曲なので、サビの部分は「戦友よ共に進もう」という意味。

日本の子どもたちも、実はなにげなくフランス語で歌っているんですよ ♪

私が娘に日本語でこの歌を歌ってあげていたら、フランス人の夫に「サビの部分だけはフランス語で歌うんだね」と突っ込まれて初めて知りました。笑

さいごに

いかがでしたか?

ここでご紹介した以外にも和製フランス語はまだたくさんありますが、ここでは私が思いついた言葉をまとめてみました。

日本でもフランス語が溢れていますよね!

フランスはスイーツや食、ファッション、芸術といった文化が栄えているので、それらに関連したフランス語が日本でもたくさん使われていますね。