フランス流ポトフの作り方&食べ方

2019年10月23日

フランス定番の家庭料理のひとつであるポトフ(仏:pot-au-feu)。

ポトフとは牛肉やソーセージ、大きく切った野菜を鍋で長時間じっくりと煮込むシンプルな料理です。寒い季節にはピッタリの料理ですよね!

日本でも寒い季節にはよく食べる料理だと思います。

パリもだんだんと寒くなってきたので、先日、フランス人の夫にポトフを作ってもらったのですが、ポトフの作り方から食べ方まで、日本人の私が知っているポトフとはちょっと違ったのでビックリしました。

料理に詳しい方はご存じかもしれませんが、料理の知識に乏しい私にとってはちょっと驚きだったので、今回は私の中にあったポトフのイメージと比較して、ちょっと驚いたフランス流ポトフの作り方&食べ方についてご紹介したいと思います。(*もちろん各家庭や地方によっても作り方や食べ方は違ってくると思います。)

まず、こちらは私が作ったポトフです ↑

私がポトフを作る際は、食べやすい大きさに切ったソーセージと野菜、ポトフ用のブイヨンキューブを鍋にポンっと入れてグツグツと煮込むだけです。

そして、具とスープを一緒のお皿に盛り食べます。

私の中では、ポトフ=大きな野菜入りスープみたいなイメージでした。

ここからは、私が作るポトフとフランス人の夫が作るポトフの違いについて書きたいと思います。

まずは、これ(上記の写真)↑ 何かご存じですか?

私は今まで一度も料理に使用したことがなかったのですが、これは Clous de Girofle という香辛料です。日本ではクローブやチョウジと言われているものです。結構、薬っぽい強い香りがします。

フランスでは、ポトフを作る際、玉ねぎにClous de Girofle をいくつか刺します。あとはニンニクとローリエやタイムなどの香辛料も一緒に入れて長時間煮ます。

私はいつもポトフ用のブイヨンキューブを使用していましたが、本来のポトフはブイヨンキューブは使わずに、塩コショウと香辛料のみで風味を調えるようです。あとは肉や野菜から出る風味だけで十分だそうです。

ジャガイモは一緒に煮込むとデンプンでスープが濁ってしまうので別の鍋で茹でます。

こちらが夫が作ってくれたポトフです ↑

「あれっ?スープはどこへいった?!」と思いませんか?

フランスではポトフの具とスープは別々にして食べるんだそうです。

ポトフの具はマスタードや粗い粒の塩などを付けて食べます。日本のおでんとちょっと似ていますね。

そして、スープは別の器に入れて飲むか、または他の料理に使用するんだそうです。

今回、私たちはスープは飲まず、翌日に他の料理に使用しました。

私はずっと具はスープと一緒のお皿に盛り食べるものだと思い込んでいたので、別々に食べるというフランス本場の食べ方にはビックリ!

あと、写真の下の方にある骨付きのものは牛の骨髄で、フランス語では os à moelle と言います。日本ではあまり見かけない食材ですよね。牛の骨髄はフランスのポトフには欠かせないものらしく、フランスのスーパーで売られているポトフ用のお肉のパックには必ず入っています。

牛の骨髄は1時間だけ煮込みます。

人によって骨髄を食べるか食べないか分かれるようですが、結構ドロッとした感じで油っぽく、肉や野菜と一緒に食べたら、意外と美味しかったです。パンに付けて食べても美味しいみたいです。

ポトフはシンプルな料理だけど、意外と奥が深いなぁと思い、ポトフについてインターネットで色々と調べていたらWikipediaにもちゃんとポトフの食べ方について解説が載っていましたね。↓

“肉や野菜は食べやすい大きさに切ってからマスタードを添え、それぞれ別皿に盛って供する。漉した煮汁はほかの料理のブイヨンとしても用いられる。” (出典: フリー百科事典『 Wikipedia 』より)

私が無知なだけだったかな…?

いかがでしたか?

以上、私がちょっとビックリしたフランス流ポトフの作り方&食べ方についてでした。

【関連フランス語】
le pot-au-feu : ポトフ
le pot : 壺、鍋
le feu : 火
l’os à moelle : 骨髄
clous de girofle : チョウジ、クローブ
le thym : タイム
le laurier : ローリエ