フランス全土で年金改革反対の大規模ストライキ2019

2019年12月5日(木)、フランスはついに無期限の大規模なストライキに入りました!

どうやら、1995年以来の大規模なストライキのようです。ちなみに1995年のストは約3週間続いたらしいです。

今回は無期限と宣言しているので、いつまで続くかは分かりません。

このストライキはマクロン大統領の年金改革に反対するためのストライキです。

RATP(パリ交通公団)やSNCF(フランス国鉄)の労働組合を中心に教師や郵便局、エールフランスなどもストに参加しています。

なぜ、国鉄職員らが年金改革に反対しているのかというと、年金改革によって、彼らに与えられている早期退職の優遇制度が廃止されようとしているからだそうです。

フランスは職業ごとに年金の支給制度が異なりますが、マクロン大統領は、それを一本化しようと推し進めているみたいです。

あと、公務員の年金の支給の計算方法も変わるらしく、それにより、多くの国民が長い間、働かないといけなくなったり、年金が減ったり、若者が職に就けなくなったりと、国民からしてみれば色々と不満がある様子。

あるフランスの世論調査によれば、フランス国民の3人に2人は、今回のストは正当だという考えらしいです。

確かに、国鉄職員は夜間勤務や休日出勤などが多く、メトロの職員に関しては、太陽の当たらない薄暗い地下で働かざるおえず、彼らの労働環境は決して良いとはいえないので、その分、彼らの寿命は短くなる可能性もあるだろうし、そういう労働者の早期退職は理にかなってはいると思う。

国の財政や将来の事を考えると、改革は必要かもしれませんが、皆そんなに長くは働きたくないんですよね。難しいところです。

5日のパリは、ほとんどのメトロやRER、バス、トラムが運行を取りやめており、交通網が麻痺しています。一部は運行していますが、、、

パリに限らず、ナントやリヨン、マルセイユ、トゥールーズなどフランス各地の都市でデモが行われました。初日のパリのデモは思ったより、暴動化はせず、、、

また、多くの保育園や学校も休校となりました。

仕事がある人は通勤が大変ですよね。

夫は寒い中、職場まで徒歩で1時間かけて通勤しました。

私は娘と散歩がてら、スーパーに買い物に行きましたが、道路には自転車やキックボード、トロチネット(電動キックボード)、ローラースケートなどで移動している人が普段に比べて、とても多かった印象です。

夫も自転車を買おうか迷っていましたが、結局、購入せず。でも、今回のストのために事前に自転車を購入した人はやはり多いようです。

観光客にとっても電車が使えないとなると、移動が大変ですね。

12月中旬に日本からパリに旅行に来る予定の友人は、ストの情報を知らず、「ストの期間とかぶってたら、どうやって移動すればいいの?!」とかなり焦っていました。ストが長引かなければいいのだけど、、、

それにしても、「権利は勝ち取るもの」という一致団結したフランス人の姿勢には本当に関心させられます。

あくまで個人的に思うことですが、日本社会では「権利は与えられるもの」という考えが浸透しいるためか、権利や不満を主張する人は少なく、フランスのような大規模なストやデモはあまり起きないですね。

このストはどうやら最低でも12月9日(月)までは続くみたいです。

これから、旅行などでパリへお越しにくる際はストにお気を付けくださいね!

【関連フランス語】
 
la retraite : 引退、(定年)退職、年金
la pension : 年金
la réforme : 改革
le syndicat : 労働組合
la grève : ストライキ
la  manifestation : デモ
le mouvement social : 社会運動
protester :  抗議する
contre : 対して