フランスで出生前診断を受診【体験談】

2021年3月26日

はじめに

お腹の中の赤ちゃんが生まれる前にダウン症などの障害があるか調べる出生前診断

年齢が上がれば上がるほど、ダウン症の子が生まれる確率は高くなると言われているので、高齢出産(35歳以上での出産)も多くなってきた現代の日本でも、検査を受ける人が多くなってきていると思います。

日本では、この出生前診断は任意ですが、フランスでは、2009年から、必ずしも義務ではないけれど、妊婦健診の一環として、検査が推薦されており、ほとんどの妊婦さんが年齢にかかわらず、出生前診断を受けています。

私自身もフランスで妊娠した際、出生前診断を受けたので、今回は、その時の体験談を書こうと思います。

出生前診断はフランス語で何て言う?

フランス語で「出生前診断」は、「Le dépistage de la trisomie 21 」と言われています。

「le dépistage」は、「(病気)の発見」や「検査」のことです。

「trisomie 21」は、「トリソミー21」つまり「ダウン症候群」のことです。

ダウン症候群は、体細胞の21番染色体が通常より1本多く存在し、計3本(トリソミー症)になることで発症する先天性疾患群である。(出典:Wikipedia)

出生前診断を受けるには?

妊娠が判明してから、かかりつけの一般医(médecin généraliste)に行き、初回の受診の際に「出生前診断を受けることに同意しますか?」と聞かれました。

30代前半での妊娠で高齢出産ではないから、リスクは少なく、検査を受けなくても大丈夫だろうとは思いましたが、フランスでは、出生前診断が当たり前になっているし、夫も診断を希望していたので、出生前診断を受けることに同意しました。

必ずしも義務ではないらしいので、受けたくなければ受けなくても大丈夫みたいです。

診断を希望すると、医師から出生前診断の処方箋(ordonnance)が貰えます。

出生前診断を受ける時期

フランスでは、超音波検査(エコグラフィー)は、妊娠期間中に基本的に3回しか行わないので、出生前診断は1回目のエコグラフィー(妊娠12週頃)の際に行いました。

フランスでの出生前診断

出生前診断の検査方法は、エコグラフィーと血液検査(母体血清マーカー)、母体年齢です。

フランス語では、le dépistage combiné( la mesure de la clarté nucale du foetus , le dosage de marqueurs  sériques, l’âge)と呼ばれ、 日本では、コンバインドテスト(複合検査)と呼ばれているものです。

フランスでは、このエコグラフィーと母体血清マーカー、母体年齢による出生前診断(非確定検査)は妊娠初期にほとんどの妊婦さんが受けます。

ダウン症の確率が高いという結果がでた場合は、医師から新型出生前診断(NIPT)や羊水検査など、より正確な診断をする次のステップの検査が勧められます。

出生前診断の受け方

まずは、エコグラフィーを専門で行っている診療所にインターネットから予約(RDV)を取り、エコグラフィーの専門医( écologiste)のところへ検査をしに行きました。

私は医療に詳しくないので、エコーで胎児のどこを見て、どのようにダウン症の可能性がないか調べているか分かりませんでしたが、後々、インターネットで調べてみたら、胎児の首の後ろのむくみ(NT)があるか、ないかが、重要な検査ポイントらしいですね。

エコグラフィーでの検査後、すぐに口頭で検査結果を伝えてくれました。

結果は、「エコグラフィーで見たかぎり、ダウン症の可能性はかなり低い」とのことで、まずは一安心。

エコグラフィーで検査をしてもらった後、「2日以内に、血液検査をして」と言われたので、エコグラフィーの画像を持参し、血液や尿検査などを専門に行っているラボ(Laboratoire d’analyses médicales)へ行って、採血をしてもらいました。

ラボでの血液検査の結果は、通常なら、当日か翌日には、メールで結果が送られてきますが、母体血清マーカーの検査結果は、直接本人には届かず、かかりつけの一般医に届くシステムになっています。

なので、ドキドキしながら結果を待っていました。

検査から約1週間後にかかりつけの医師から結果を聞き、ダウン症のリスクの数値が書いてある検査結果の用紙を受け取りました。

結果は、エコグラフィーの時と同様「ダウン症候群の可能性はかなり低い」とのことで一安心。

ちなみに、出生前診断の費用は社会保障でカバーされます。

もしダウン症候群の可能性があったらどうする?

フランスでは、ほとんどの妊婦さんが出生前診断を受けていますが、もし検査結果で「ダウン症の可能性がある」と判明した場合、ほとんど(90%以上)の妊婦さんが中絶を希望するらしいです。もちろん、中には産む決断をする人もいます。

フランス人の夫にも「もし生まれる前の検査で、子どもにダウン症や障害が判明したら、子どもをおろしてほしい」とハッキリ言われました。

「子どもを産むのはキミの体だから、最終的に生むか生まないか決めるのはキミだよ」とも言ってくれましたが、、、

子どもは2人のものなので、私も夫が望んでいなければ、一方的には産みたくないし、正直、自分にダウン症や障害のある子を育てて、幸せにしてあげられる自信や覚悟はないので、もし検査で異常が分かれば、どんなに子どもを望んでいたとしても迷わず中絶を決断したと思います。

私の両親は日本に住んでおり、義両親も近くに住んでいないので、家族のサポートがほぼゼロという環境も、やっぱり難しいなと感じる点です。

子どもの虐待や虐待死、ネグレクトなどのニュースが多い現代社会、無責任に子どもは産めないなと、、、育てる自信や覚悟がないなら、生まない選択をした方がいい場合もあると思います。

おわりに

日本では「命の選別」とも言われ、出生前診断には色々と賛否両論の意見がありますね。

生まれる前に、子どもに異常が分かっても、中絶に否定的であったり、「せっかく授かった命だから」と生む選択をする人もいると思います。

生む生まないは、それぞれの親が判断することなので、間違いも正解もないと思います。

幸せの形は様々なので、どんな決断でも、家族みんなが幸せであれば、それでいいなと思います。