【フランスで妊娠】トキソプラズマには要注意!
はじめに
フランスで妊娠した際に、特に気を付けないといけない感染症の1つに「トキソプラズマ症(toxoplasmose)」というのがあります。
トキソプラズマ症とは、原虫感染症であり、世界中で見られる感染症ですが、食習慣や衛生観念の違いなどから、国によっても、抗体陽性率が大きく違ってくるようです。
日本を含むアジアでは、抗体を持っている人は少なめですが、生に近い肉を好んで食べる習慣のあるフランスでは、なんと抗体陽性率が80%を超え、妊婦でも50%以上の高率だそうです。
確かに、フランスの人たちは、生の牛肉を使ったタルタルステーキやお肉の焼き加減はレア好きな人が多いから、まぁ、納得です。
フランスで妊娠した際、医師や産院から「トキソプラズマには十分に気を付けてね」と念を押されました。
そこで今回は、私がフランスで妊娠した際に受けた「トキソプラズマ抗体検査」や私が実践している感染症対策などについてまとめてみました。
妊娠中にトキソプラズマに感染すると?
妊娠前に抗体を持っていれば、問題はありませんが、妊娠中に初めてトキソプラズマに感染すると、胎児が先天性トキソプラズマ症を発症し、死産や自然流産、また、胎児の脳や視力などに障害が起こる可能性が高くなるようです。
ちなみに、妊娠していない健康な大人がトキソプラズマに感染した場合は、無症状か軽い風邪のような症状がでる程度のようです。
トキソプラズマ抗体検査
妊娠超初期の頃に、かかりつけの医師から「トキソプラズマの抗体は持っている?」と聞かれ、「分からない」と答えたら、「じゃあ、検査しないと」ということで、トキソプラズマの抗体検査を受けました。
検査方法は血液検査なので、血液や尿検査を専門に行っている近所のラボ(Laboratoire d’analyses médicales)へ行き、採血をしてきました。
結果は「陰性」!
トキソプラズマの抗体を持っていないということで、妊娠初期から臨月まで毎月1回、ラボで血液検査をして、トキソプラズマに感染していないか確認します。
ちなみに、血液検査は無料なので、採血が終わったら、お会計せず、さっさと帰宅できます。
産院からもらったトキソプラズマ感染防止のための注意事項
産院から「トキソプラズマには気を付けて妊婦生活を送ってね」と言われ、感染防止のための注意事項のリストを貰いました。
それがこちらです↓
・肉類は良く加熱してから食べる。
・酢水で野菜や果物を念入りに洗う。
・食べ物を扱う前後に手をよく洗う。
・定期的に冷蔵庫を掃除する。
・外食の際は、生野菜を避け、火の通った野菜を食べるようにする。
・ガーデニングをする際は手袋をし、土を触った後は手をよく洗う。
・飼い猫のお世話をする場合は、手袋をし、生肉は与えない。猫のトイレの砂は妊婦以外の人が毎日交換する。
フランスで感染症にかからないために気を付けている事
妊娠中は「トキソプラズマ症」以外にも、「サイトメガロウイルス(cytomégalovirus:CMV)」や「リステリア症(listériose)」といった感染症にも「気を付けてね」と産院から言われているので、妊娠中は食べ物が色々と制限されたり、気を付けないといけないことが多くなります。
私がフランスで妊娠中に注意している事はたくさんありますが、ここでは産院からの注意事項をもとに私が実践している感染予防対策5つをご紹介したいと思います。
1.よく火が通ってない肉は食べない。
パリのレストランなどでお肉を食べる際、ビヤンキュイ(よく焼いた)で注文しても、ミディアムくらいの焼き加減で出されることが結構あるので、レストランではなるべくお肉は注文しないようにしています。
義実家で出されたロティも焼き加減がレアだったことがあったので、自分の分だけ後で焼き直して食べたりしていました。
とにかく、お肉は赤みがなくなるまでしっかり焼くということを徹底しています。
2.生ハムやシャルキュトリー、スモークサーモンなどは食べない。
フランスの生ハムやシャルキュトリーはとても美味しく、ピクルスと一緒に食べるのが大好きなんですが、トキソプラズマやリステリア症に感染する可能性があるので、これらも妊娠中は我慢しています。
フランスの魚は日本と違い新鮮でない場合もあるので、生魚や貝類も食べないようにしています。
3.生乳や生乳から作られた乳製品は避ける。
フランスはチーズの種類が豊富で美味しいので、妊娠中も食べたくなりますが、生乳(lait cru)で作られたチーズは妊娠中に避けた方が良いとされているようなので、食べないように気を付けています。
ただし、低温殺菌されたチーズは食べても問題ないようなので、パッケージに「lait pasteurisé」と表記されているチーズは普通に食べています。
4.砂を触った後はよく手を洗う。
子どもと公園に行くと、よく一緒に砂場で砂遊びをしたりするのですが、砂に触るとトキソプラズマに感染する可能性があるので、砂を触った後は、公園内にある水道ですぐに手をよく洗っています。
5.子どもとスプーンや食器などを共有しない。
サイトメガロウイルスは子どもから感染する場合が多いようなので、子どもと同じスプーンや食器を使ったりしないように気を付けています。
また、唾液や尿との接触も感染する可能性があるので、唇にキスはしないようにだったり、基本的な事ですが、オムツ替えの後は石鹸でよく手を洗ったりしています。
おわりに
妊娠中は食べ物が制限されたり、1つ1つの行動に気を使ったりで、色々と大変ですよね。
でも、すべてはお腹の中にいる大切な赤ちゃんを守るため。
ここでは、私のフランスでの実体験や産院からの指示のもとに個人的に行っている感染予防対策などについてまとめましたが、あくまで個人的なものなので、何か心配がある方は信頼できる医師などに相談してくださいね。
これからフランスで妊婦生活を送る方々のために少しでも参考になれば、嬉しいです。