「犬」を使ったフランス語の表現10選

人間のペットとして大人気の犬!

日本語でも「負け犬」など「犬」という言葉を使った表現があるように、フランス語にも「犬」を使った表現がたくさん存在します。

そこで今回は、「犬」を使ったフランス語の表現10選をまとめてみました。

avoir du chien

色気がある」や「魅力がある」といった意味で女性に対して使われる表現。

s’entendre comme chien et chat

犬猿の仲」という意味で「仲の悪いもののたとえ」。「chat」は「猫」という意味で、日本語では、仲の悪いのもも例えとして、犬と猿が使われていますが、フランス語では、犬と猫で表現されます。

avoir un air de chien battu

悲しそうに見える」という意味の表現で、悲しそうな様子や哀れな様子を表す時に使います。「air」は「雰囲気」や「様子」「表情」といった意味で、「battu」は「殴られた」とい意味なので、直訳すると「殴られた犬のような表情をしている」といった意味になります。

同じ意味で使われる表現に「regard de chien battu」や「des yeux des chien battu」「une tête de chien battu」もあります。

arriver comme un chien dans un jeu de quilles

間の悪い時にやって来る」という意味。「jeu de quilles」は「ボーリング」という意味で、直訳すると「ボーリングの最中に犬のようにやって来る」という意味。

犬はボールを追いかけるのが好きなので、この表現からは、ボーリングのボールを追いかけて、レールの上を走り回り、ゲームの邪魔をする犬が想像できますね。

entre chien et loup

黄昏」、「夕暮れ時」という意味。直訳すると「犬とオオカミの間」という意味ですが、夕暮れ時は、辺りが暗くなり始めて、視界が悪くなるので、夕暮れ時に犬とオオカミを見分けるのが難しいことから、この表現が使われています。

comme Saint Roch et son chien

切り離せない2人」、「いつも一緒にいる2人」という意味。「Saint Roch」は日本語では「ロクス」と呼ばれているキリスト教の聖人で、ペストに対する守護聖人であり、古くからヨーロッパで人々に崇拝されてきた人物。

絵画などの美術作品の中では、杖をつきながら立ち、服を捲って足の怪我を見せ、パンを加えた犬を伴っています。犬が毎日ロクスにパンを運び、傷を舐めて直してくれたという伝説があるようです。(参考:Wikipedia

ロクスと犬の間には、切り離せない深い信頼関係があり、いつも一緒にいるイメージから、この表現が使われています。

C’est le chien de Jean de Nivelle

必要な時に逃げる人」を意味します。直訳すると「ジャン・ド・ニヴェルの犬だ」になります。

ジャン・ド・ニヴェルは中世(15世紀)のフランスの貴族でモンモランシー・ジャン2世(Jean II de Montmorency)の息子。ブルゴーニュ公シャルルとの対立でルイ11世に協力するため、ニヴェルは父親から呼び出されたが、その呼び出しを拒否。その結果、フランスでニヴェルは軽蔑や憎しみの代名詞となり、人々は彼を侮辱的なニックネーム”chien de Jean de Nivelle”と呼ぶようになったことから、「必要な時に逃げる人」のことを「ジャン・ド・ニヴェルの犬」と表現するようになったようです。(参考:Wikipedia

dormir en chien de fusil

体(背中)を丸めて寝る」という意味。「fusil」は「銃」という意味。横向きで足を曲げたS字の体勢が、フランス語でchienと呼ばれる銃の弾丸の発射薬を発火させ、弾丸を発射させるための装置の一部に似ていることから、この表現が使われているそうです。日本語では撃鉄やハンマーと呼ばれている装置。(参考:Wikipedia

se regarder en chien de faïence

(一対の犬の置物のように)冷ややかに見つめあう」という意味。「faïence(ファイアンス)」は北イタリアのFaenza(ファエンツァ)が由来の陶磁器。2つのファイアンス焼きの犬の置物が向かい合うように置かれ、動かずにじっとお互い見つめ合い、挑発しているような様子から、この表現が使われるようになったようです。

ne pas attacher son chien avec des saucisses

ケチな人」のことを意味します。「sauccisse」は「ソーセージ」という意味なので、直訳すると「ソーセージで犬をつながない(人)」という意味になります。

犬はソーセージが大好きなので、リードの代わりにソーセージで犬をつないだら、当然、犬はソーセージを食べてしまいますよね。そうなると、飼い主は何度もソーセージを買いなおさないといけなくなります。

つまり、何度も買いなおせる人はお金に寛容な人。逆に、ソーセージで犬をつながない人は何度もソーセージを買いたくないのでケチな人。

ケチな人をからかったり、嘲る時に、この表現が使われるようです。

以上、

「犬」を使ったフランス語の表現10選をご紹介しました。

ここでご紹介した以外にも、まだまだ色々な表現がたくさんありますが、ここでは私が「面白いなぁ」と思った表現10選をご紹介しました。

是非、これらの表現をフランス人との会話の中で使ってみてくださいね!