エッフェル塔近くで通行人を襲撃するテロ事件が発生
2023年12月02日(土)、夜21時頃、パリ・エッフェル塔近くで通行人がナイフとハンマーで襲撃されるテロ事件が発生しました。この事件で1人死亡、2人が負傷しました。
事件が起きたのは、パリ15区のメトロ⑥番線ビル・アケム駅付近で、パリの人気の観光名所であるエッフェル塔のすぐ近くです。
犯人は通りすがりの観光客のカップルを標的にし、フィリピン生まれドイツ国籍の男性(23歳)をナイフで殺害。被害者の男性は背中と肩に刺し傷を負い、心肺停止の状態で発見されました。彼女さんは無事でしたが、かなりのショック状態のよう。
その後、警察官から逃れるため、ビル・アケム橋を渡り、セーヌ川の対岸にあるケネディ大統領通りに向かって逃走。その間に、他の通行人を標的にし、ハンマーで2人負傷させました。被害者の1人であるイギリス人観光客の男性(66歳)はハンマーで目を殴られ、もう1人の被害者のフランス人男性(60歳代)は大きな怪我はなかったようですが、精神的ショックが非常に大きいよう。
その後、犯人は警察官によって拘束されました。
今回の事件の犯人は、イラン系のフランス生まれフランス国籍の男性(26歳)で、イスラム過激派と知られ、精神障害も患っていたようです。2016年には、ビジネス街として知られるパリ西部郊外のラ・デファンスでのテロ行為を計画したとして懲役4年の有罪判決が下され、2020年まで刑務所に収監されていました。
犯人は事件後に警察官に、「アフガニスタンとパレスチナでイスラム教徒がなくなっていることに耐えられなかった」と語り、現在、ガザ地区で起こっていることにも不満を抱いていたようです。
亡くなったドイツ人観光客の男性は看護師さんで、彼女も看護師さんだったようです。休暇をパリで楽しもうと思って来仏していたのに、まさかこんな事件に巻き込まれるなんて想像してもいなかったと思います。
何の罪もない人々が突然、無差別に襲撃され、命を失うのは悲しいですね。
今年の10月には高校で教師が殺害されるテロ事件も発生し、フランス全土でテロに対する警戒意識が高まっていました。
パリではオリンピックを来年に控えているので、セキュリティーの強化が課題となってくるでしょう。
エッフェル塔の目の前にあるシャン・ド・マルス公園でも、近年、観光客の女性を狙ったレイプ事件が多発しています。
クリスマスシーズンに突入し、これから日本からも観光で多くの人がフランスを訪れると思いますが、夜はなるべく出歩かないなど、安全対策を万全にして、楽しい旅行になるよう、どうかお気を付けください。
今回の事件で亡くなられた方のご冥福をお祈りします。