【フランス新型コロナ】医療関係者のワクチン接種が義務化&衛生パスポートの適用範囲拡大

デルタ株の感染拡大が心配される中、夏のバカンスを迎えたフランス。

2021年7月12日(月)、フランス時間の夜20時にマクロン大統領がテレビ演説を行い、現在のフランスの感染状況や新型コロナウイルス感染拡大防止のための新たな措置等について発表しました。

在フランス日本大使館からのメールやフランス語のニュースを参考に、今回、発表された内容を以下に簡単にまとめてみました。

感染状況
・1日の感染者数が最大3万5千人であったのに対し、この数週間では2000人以下に抑えられており、入院者数も死亡者数もこの一年で最も少ない数値である。

・海外領土を含む仏全土において、従来株の3倍の感染力があるデルタ株の感染が拡大している。今後、何か措置を講じなければ、8月以降に入院患者数が再び増加することになる。

新たな措置

一部の業種(医療関係者)に対するワクチン接種の義務化
病院、クリニック、高齢者施設、障害者施設で働く全職員、また、施設や家庭内で高齢者や脆弱な者と接触する専門職及びボランティアに9月15日までにワクチンを接種することを義務付ける。
後のべラン保健相の発表によると、9月15日以降にワクチン接種の確認がなされ、該当者でワクチン未接種の者は、仕事もできなくなるし、給料も支払われなくなるようです。

・その他の国民にワクチン接種を義務化することはしないが、ワクチンをすぐに接種するよう推奨する。60歳以上の者や脆弱な者は最もリスクが高いため、特に推奨する。

・9月の新学期から、中学生、高校生、大学生ために、学校施設においてワクチンキャンペーンが実施される。

・1月や2月にワクチン接種をした者の抗体や免疫が低下するため、9月初旬からこれまでと同じシステム及び条件下で新たにワクチンが接種できるようキャンペーンを実施する。

・マルティニーク及びレユニオンにおいて緊急事態宣言がなされ、夜間外出禁止令が発出される。

・今週から、感染リスクの高い国からの渡航者に対する水際措置が更に強化され、ワクチン未接種の者に対しては隔離が義務化される。(※国名は発表されず)

衛生パスポート(pass sanitaire)の適用範囲拡大
①7月21日以降、50名以上が集まる娯楽及び文化施設で、12歳以上の者に対し、衛生パスポート(ワクチン接種証明か陰性証明)の提示が求められる。

②8月上旬以降に、カフェ、レストラン、大型商業施設、病院、高齢者施設、医療社会施設や、長距離移動の航空機、列車、バスにおいて、顧客・利用者・職員にかかわらず、衛生パスポートの提示が求められる。

③感染状況次第では更に適用範囲を拡大する可能性も排除されない。

PCR検査の有料化
複数回の検査の推奨よりもワクチン接種を推奨するため、秋以降に、処方箋なしでのPCR検査を有料化する。

8月からは衛生パスポート(ワクチン接種証明 or 陰性証明)が無いとレストランやカフェ、ショッピングセンターなどに入れなくなってしまうので、マクロン大統領の演説直後には、926,000人ものフランス人が Doctolib(フランスの医療予約サイト)で1回目のワクチンの予約を行ったようです。

ワクチンを打つ打たないは個人の自由ですが、より自由な日常生活を手に入れるには、もうワクチンを接種するしか方法はないという感じですね。

ちなみに、衛生パスポート(passe sanitaire)は2回目のワクチン接種から2週間経てば手に入れることができるようです。