飲み物に浸して食べるフランス人

2019年10月9日

フランスに住んでみて「面白いなぁ」と思ったフランス人の習慣… それは「パンなどを飲み物にジャボッと浸して食べる」ということ。

すべてのフランス人に当てはまることではないと思いますが、私の夫やフランス人の友人の多くは、よくパンなどをカフェオレやココアに浸して食べます。

フランスの家庭の朝食ではよくタルティーヌ(縦に切ったバゲットにバターやジャムを塗ったもの)を食べますが、これは飲み物に浸して食べる人が多いように感じます。

学生時代にホームステイしていたフランス人の家庭でもみんな毎朝、タルティーヌをカフェオレやココアに浸して食べていました。

夫もタルティーヌを食べる際はいつも必ずココアに浸して食べます。

たまにカフェとかでも普通に飲み物に浸して食べている人の姿を見かけます。

日本のカフェなんかではあまり見かけない光景ですが、こちらではまあまあ普通の光景。

フランス人の友人の中には家では浸して食べるけど、公共の場ではしないという人もいます。

あとは、パンを浸して食べると飲み物の中にパンの油が浮いたり、カスが入ってしまうのがちょっと気になるから、浸さないで食べるという人もいます。

まぁ、人それぞれですね!

パンを飲み物に浸して食べる理由をフランス人に尋ねると、「パンにカフェオレやココアの味が染みて美味しいから」だそうです。あとは、「柔らかくなって食べやすくなるから」という理由もあるようです。まぁ、理由も人それぞれですね。

みんな子どもの頃からよくやっている習慣だそうで、それが大人になっても続いているみたいです。

確かにフランスのバゲットはちょっと硬めで、時間が経つとさらに硬くなるので、子どもにとっては浸した方が食べやすいのは確かですね。

私も子どもの頃はよく食パンやビスケットを牛乳に浸して食べていたりしたので、「それと同じ感覚なのかなぁ」とそこまで驚きはしませんでしたが、

なんと、フランス人!!!

クロワッサンやパン・オ・ショコラ(チョコレートが入ったデニッシュパン)、マドレーヌなんかもカフェオレやココアに浸して食べます。(これももちろん人によりますが…)

そういえば、マルセル・プルーストの小説「 À la recherche du temps perdu(失われた時を求めて)」の小説で主人公が紅茶に浸ったマドレーヌの香りで幼少時代を思い出すという描写も実際にありますね。

フランス人の友人がクロワッサンを当たり前のようにココアにジャボッと浸して食べる光景を初めて見た時は「えっ!」と驚きました。

クロワッサンを浸して食べたら、せっかくのあのサクサクとした食感がなくなってしまうのに…

それでも浸して食べずにはいられないフランス人。

私もフランスに来てからは、ちょっと硬くなってしまったタルティーヌはたまにコーヒーやココアに浸して食べるようになりましたが、クロワッサンやパン・オ・ショコラは浸せずにいます。笑

以上、ちょっと面白いなと感じたフランス人の習慣についてでした。

【関連フランス語】
la tartine : タルティーヌ
la confiture : ジャム
le croissant : クロワッサン
la baguette : バゲット、フランスパン
le pain au chocolat : パン・オ・ショコラ
le chocolat : ココア
tremper : 浸す