フランス流育児【新生児から1歳まで編】

2019年9月7日

はじめに

国が違えば文化や周囲の環境も異なるので、育児の仕方ももちろん異なってきます。

実際にフランスで育児をしていく中で、フランスと日本では育児に対する価値観や考え方、育児の仕方など異なる点がいくつもあり、面白いなと感じました。

そこで今回は、私が実際にフランスで1歳まで育児をしてきて感じたフランスの育児について実体験を交えてご紹介したいと思います。

*ひとことでフランスの育児といっても家庭環境や人によって育児方法は異なってきます。

自立心を育てる

フランスでは子どもの自立心を育てることをとても大切にしています。

そのため、フランスのほとんどの家庭では生後すぐに赤ちゃんを1部屋のベビーベッドで1人で寝かせます。親は赤ちゃんをベッドに置いて、「おやすみ」と声をかけ、部屋を出ます。

赤ちゃんが泣いてもしばらく放置して、自分自身で眠りにつけるように小さい時から訓練するんだそうです。

もちろんお腹が空いていたり、おむつが汚れて泣いている場合はちゃんと対応します。

赤ちゃんを1人で寝かせることで、夫婦の時間も大切にできるというメリットもあります。

私の場合、赤ちゃんを1人部屋で寝かせるのは心配だったため、夫婦と同じ寝室にベビーベッドを置いていました。

また、赤ちゃんが泣いたら、近所迷惑にもなるし、なによりずっと泣かせているのは可哀そうだったので放置せず、添い寝はしませんでしたが、日本流に泣いたら抱っこやミルクをあげてあやしたりしていました。

そのせいか、1歳になった娘は今でも、1人で眠りにつくことが難しくなってしまい、寝かしつけには一苦労です。涙

泣いたらあやすことで現状回避はできても、後先のことを考えれば、すぐに抱っこなどはせず、フランス流に泣いてもしばらく放置しておけば良かったのかなとちょっと後悔しています。

ちなみに、フランスの赤ちゃんはお風呂も親と一緒には入りません。

新生児でも外出OK

日本では赤ちゃんへの感染症などの心配があるため、1ヶ月検診が終わるまでは外出は控えることが多いと思いますが、フランスでは新生児でも外出OKです!

むしろ早く外の世界に馴染ませた方がいいという考え方のフランス人も多い気がします。

街中を歩いているとよく新生児を抱っこしたり、ベビーカーに乗せて散歩している人の姿を見かけます。

たまに父親が1人で新生児を連れていることもあります。日本ではあまり見かけない光景なのでビックリしました!

私も生後2週間くらいから赤ちゃんを連れてバスで病院へ行ったり、外出を少しづつ始めました。

日本で新生児を連れて歩いたら、「まだ、小さいのにかわいそうね」など否定的なことを言われてしまいそうですが、フランスでは「可愛いわね」など本当にたくさんの人が温かい言葉をかけてくれます。

特に高齢の女性から声を掛けてもらうことが多かったですが、2歳くらいの女の子が「べべ(赤ちゃん)!ベベ!」といって駆け寄って来て、赤ちゃんに歌を歌ってくれたこともありました。

気軽に新生児を連れて外出できる環境は、親の育児ストレス解消や気分転換にもなるのでいいなと感じました。

父親が育児に積極的

共働き家庭の多いフランスでは、父親の育児参加は当たり前で積極的に育児に参加してくれます。

まず、産院では、子どもが生まれたら、助産師さんたちが父親に対しても赤ちゃんのおむつ替えや沐浴、着替えなどのお世話の仕方を教えてくれます。

フランスでは、父親が1人で赤ちゃんを連れて散歩していたり、公園のベンチで赤ちゃんにミルクを与えたりしている光景も珍しくありません。

我が家の場合、夫も育児を楽しみたいということで、夫は子どもが生まれてから1年間は在宅勤務にしてくれたので、第3者の手は借りずに常に2人で子育てをしていました。

夫はオムツを替えてくれたり、抱っこをしてあやしてくれたり、お風呂に入れてくれたり、家事に関しても、買い物や料理、食器洗い、洗濯などできることはすべてしてくれました。

日本のように里帰り出産をする人はあまりいないので、夫婦2人で協力し合って育児するか、ベビーシッターなど第3者の手を借りながら育児をするのがフランスでは一般的です。

母乳にこだわらない

日本の産院では母乳を推薦されることが多いと思いますが、フランスでは出産後にまず、母乳で育てたいのか、ミルクで育てたいのか、と自分の意志を聞かれます。そして、助産師さんたちはその意思を尊重してくれ、育児の指導してくれます。

フランス人女性は仕事をしている人が多く、だいたい出産後3ヶ月から6ヶ月の間で職場に復帰します。

そのため、3ヶ月間だけ母乳をあげ、その後はさっさとミルクに切り替える人や早期に職場復帰する人は初めからミルクで育てたいという人も多くいます。

フランスでは母乳育児よりミルク育児の方が圧倒的に多い気がします。

私自身は子どもが1歳過ぎてもまだ母乳で育てていますが、「母乳だけで育てている」とフランス人にいうと、かなり驚かれます!否定をする人は誰もいませんが、変な目で見られている感じがするのです(笑)

でも、1歳過ぎまで母乳を与えている知人のフランス人女性もいるので心強い!!!

日本とフランスでは母乳やミルクに対する意識が全然違うんだなと痛感しました。

離乳食は野菜のピュレから

日本ではまず、10倍粥から離乳食がスタートすると思いますが、フランスでは野菜のピュレから離乳食がスタートします。

野菜のピュレに慣れてきたら、おやつの時間にフルーツのコンポートを食べさせます。

フランスの赤ちゃんがお米を食べ始めるのは生後8ヶ月目くらいからです。お米にはヒ素が含まれており、健康上あまり良くないという理由で、フランスでは赤ちゃんへのお米の摂取量は控えめにした方がよいと言われています。

「日本の赤ちゃんは大丈夫なの?!」と思いましたが、実際はそんなに心配する必要はないみたいです。まぁ、私自身もお米を食べて育ち、健康でいるのであまり気にはしていませんが、一応、赤ちゃんにお米の過剰摂取はさせないように注意しています。

自分の時間も大切にする

日本では子どもが生まれると「私は母親だから」といって、自分のやりたいことを我慢したり、なんでもかんでも子どもを優先したり、自己犠牲を美徳と感じている人も多いと思いますが、フランス人は子どもが生まれても、やりたいことは我慢せず、子どもを優先しすぎることもありません。

子どもをベビーシッターに預けて、友人とお茶をしたり、夫婦でディナーに行ったり、赤ちゃんを連れて旅行に行ったりなんていうこともフランスでは日常茶飯事です。

フランスでは子どもは大人の都合に合わせることも大切だという考え方があります。そうすることで、子どもは忍耐心を養うことができます。

私も赤ちゃんが生後2ヶ月目くらいの時から、赤ちゃんを連れて公園へピクニックに行ったり、飛行機に乗せて旅行に行ったり、コンサートに行ったりしていました。

「親だから我慢する」という自己犠牲感にとらわれず、のびのびと自由に育児をするフランス人はとても息抜き上手だなと感じます。

おわりに

いかがでしたか?

フランスと日本の育児の違い、面白いですよね!

ここでご紹介した以外にも日本と違うなと感じた点はまだまだたくさんあります。

私はフランスで育児をしていますが、フランス流育児がすべていいなとは思わないので、フランス流でも日本流でもいいなと思った育児方法を取り入れてきました。

子育てに正解はないので、どんな方法であれ、親もハッピー、子どももハッピーでいることが1番大切ですね!

個人的にはフランスはとても子育てのしやすい国だなと思います!