ロックダウン中のパリでの日常生活

2020年4月14日

はじめに

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための措置として、フランスは3月17日からロックダウン(都市の閉鎖)しました。

そこで、今回はロックダウンから3週間目の現在、私たち家族がロックダウン中のパリでどのような毎日を過ごしているのか、現地から現状をお伝えしたいと思います。

仕事

ロックダウン中、フランスでは在宅勤務が可能な人は在宅勤務。在宅勤務が不可能な人は外出証明書を持って自宅と職場を往復。接客業でお店の閉鎖により仕事ができなくなってしまった人などには一時的失業手当が適用されます。

私は現在、仕事はせずに家で1歳の娘のお世話をずっとしているので、特に今までの生活に変化はありません。

夫は国に関わる仕事のため、在宅勤務が不可能なので、ロックダウン前と同じように、今まで通り自宅と職場を電車で1時間かけて往復しています。

通勤時や職場での感染が心配ですが、生活のためには仕方ないですね。

最近は電車や職場でも咳をしている人が多いと言って、夫はマスクをつけ始めました。

食料の買い出し

食料の買い出しは、夫が土曜日にまとめ買いをしてきてくれるので、そんなに頻繁には行きませんが、どうしても食料が足りなくなった場合には、平日に私が娘と一緒に食料の買い出しに行きます。

現在、パリでは夫婦での買い物も禁止されています。買い物に子どもを同伴させるのも、あまり推奨されていませんが、シングル家庭の場合もあるし、私の場合は、夫の帰りが遅い時もあり、帰宅時間には店が閉店しているので、まぁ、仕方なく。

普段は22時頃まで営業しているスーパーも、外出禁止令が出てからは19時や20時に閉店しています。

スーパーは入場制限がかかり、いつも入り口には長い行列ができています。が、、、近所のカルフールというスーパーでは、1歳の娘と一緒に列に並んでいると、入り口で案内している店員さんが手招きして、優先的に入店させてくれます。たぶんお店によっても対応が異なると思いますが、娘と長時間待つのはつらいので、本当に助かっています。

お店の商品の在庫状況は、現在、フランスでは小麦粉が品薄で手に入りにくい状況です。それ以外の商品はわりと普通に販売している印象です。

家にいる時間が長いので、小麦粉を使ってパンやお菓子を作っている人が多いのかなと思います。

そんな私も最近はケーキとか焼いているので、まぁ、小麦粉が売れるのは納得できます。

外での運動

現在は自宅から1キロの範囲内で1日1回、1時間のジョギングや同居人との散歩などの軽い運動は認められています。

娘の日光不足や運動不足も心配だし、パリの狭いアパートで完全に引きこもるのは正直、辛いので、私の気分転換も兼ねて、天気の良い日は娘と一緒に自宅付近を散歩するようにしています。

あくまで、私の自宅付近の様子ですが、天気の良い日は閉鎖された公園の周りをジョギングしている人や子ども連れでお散歩している人の姿が多く、外出禁止期間中にしては結構な人出です。ご高齢の方々も普通にお散歩しています。

夫婦でジョギングしていたり、日の当たるベンチに座って本を読んでいたり、社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)をしっかりとっている人もいれば、気にしてないような人も、、、

4月4日、5日の週末は気温が20度近く上がったこともあってパリやマルセイユなどでかなりの人出だったようです。やっぱり太陽を求めちゃいますよね。ロックダウン3週目で外出禁止に飽きて、気が緩んできた人も多いように感じます。

本当に外出禁止期間中なのかな?と思ってしまうほど外出している人が多い様子。

テレビでこの光景を見た夫は一言「C’est la France(これがフランスだ)」と嘆いていました。

外出禁止といっても結局は外出証明書を持っていれば外出できてしまうので、思っていたよりは意外と緩い感じのような気がします。

ちなみに、私の自宅付近では警察官もあまり見かけないので、まだ一度も警察官からのチェックを受けていない状況です。

自宅での運動

外での運動は1時間までと制限があるので、運動不足解消のため、自宅でも運動をしています。

パリの狭いアパートの中をジョギングしたり、音楽に合わせて娘とダンスしたり、、、できるだけ体を動かすように意識して生活しています。

あと、最近は世界中がロックダウン中のため、自宅で出来るヨガや筋トレなどの動画が多く出回っているので、それらを youtube などで見ながら運動しています。

よくよく考えたら、外出禁止によって運動不足を強く意識するようになったので、ロックダウン前より運動している気がします。笑

とにかく、軟禁生活中の身としては、体重の増加を食い止めるのに必死です。

自宅での過ごし方

長時間の外出ができないため、どうしても家の中で過ごす事が多くなります。

そんな時は、お菓子を作ったり、窓際で読書をしたり、フランス語を勉強したり、ピアノを弾いたり、テレビを見たり、ベッドでゴロゴロしながらネットサーフィンしたりして、のんびり過ごしています。

といっても、それらができるのは娘のお昼寝中と娘の就寝後の時間だけ、、、1日の大半の時間は娘のお世話や家事などで終わります。

まとめ

私たち家族の場合は、ロックダウン以前の生活環境とそんなに変わらないので、思っていたよりは、ストレスも溜まらず、今のところ穏やかに過ごしています。

もちろん家族によって生活状況は様々だと思います。

パリに住むフランス人の知人の中には、8日間一歩も外に出なかったという人もいます。

家で長時間過ごすのが苦痛な人もいれば、そうでもない人もいますね。

現在、フランスは外出禁止令の成果もあってか、入院患者数や死者数が少しずつ減少し始めてきたかなという状況ですが、健康やメンタル面にも配慮しつつ、気を緩めずに、できるだけ外出を控えた生活を送りたいと思います。

【関連フランス語】

la vie quotidienne : 日常生活
le relâchement : (気の)ゆるみ