「豚」を使ったフランス語の表現10選
しばしば「不潔」や「暴食」といったネガティブなイメージを持たれる豚。
フランス語では「cochon(コション)」といって、発音の響きは可愛らしいですよね。
日本語にも「豚に真珠」や「豚もおだてりゃ木に登る」など豚にまつわる表現があるように、フランス語にも「豚」を使った表現がたくさんあります。
そこで今回は、「豚(cochon)」を使ったフランス語の表現10選をまとめてみました。
- 1. manger comme un cochon
- 2. être sale comme un cochon
- 3. avoir un caractère de cochon
- 4. être copains comme cochons
- 5. un temps de cochon
- 6. (faire) (jouer) un tour de cochon
- 7. cochon de payant
- 8. (se demander si) c’est du lard ou du cochon ?
- 9. tout est bon dans le cochon
- 10. jeter des perles aux pourceaux (cochons)
manger comme un cochon
「汚い食べ方」「汚らしく食べる」という意味の表現。「manger」は「食べる」という動詞、「comme」は「~のように」という意味なので、直訳すると「豚のように食べる」になります。豚のガツガツとした食べ方から、下品で不快な食べ方を指す表現です。英語にも同様の意味で「eat like a pig」という表現が使われていますね。
être sale comme un cochon
「すごく汚い」「汚らしい」という意味の表現。「sale」は「汚い」という形容詞なので、直訳すると「豚のように汚い」になります。豚は泥の中を転がるのが好きかつ、何でもガツガツと食べる習性があり、不潔で汚いというイメージからこの表現が使われています。
avoir un caractère de cochon
一言でいうと「性格が悪い」という意味。些細なことや何でもないことですぐに怒ったり、癇癪を起す性格の人のことを意味します。去勢されていない生殖のための雄豚は年を取るにつれ、攻撃的で怒りっぽくなる様子からこの表現が使われているそうです。
être copains comme cochons
「仲の良い友達」「強い友情で結ばれた友達」という意味の表現。直訳すると「豚のように仲の良い友達」になります。もともとは、「cochon」ではなく「soçon(仲間、相棒)」という古いフランス語が使われていましたが、時が流れるにつれ、「sochon」や「chochon」に変わっていき「cochon」になったようです。
un temps de cochon
「寒くて雨が多い悪天候」を意味する表現です。「temps」は「天気」という意味なので、直訳すると「豚の天気」になります。この表現の起源は昔の田舎生活にあります。豚を食用に屠殺した後、すぐに丸ごと消費するのではなく、一年中保存できるようにするため、塩漬けで保存されていました。寒くて湿気の多い気候(11月)が塩漬けにするのに最も適した天候であったことから、この表現が使われるようになったようです。
(faire) (jouer) un tour de cochon
話し言葉で「汚い手口、やり方(をする)」という意味の表現。この表現の起源は分かりませんが、「faire( jouer) un tour à quelqu’un」で「~にいたずらをする、悪さをする」という意味があるので、「豚」=「汚い」というイメージがあることから、「豚のようなやり方」=「汚いやり方」でこの表現が使われていると思います。または「faire ( jouer ) un tour de magie」で「マジックをする」という意味があるので、「マジック」=「人を騙す」=「汚いやり方」=「豚のようなやり方」という解釈で、この表現が使われているのかなとも考えられます。
cochon de payant
「文句も言わずにお金を払う顧客」「全額を支払う顧客」「摂取される人」といった意味の表現です。分かりやすく説明すると、例えば、お店に慣れていない顧客を無知なために豚に例え、常連客よりも高い料金を支払わなければならない普通の顧客のことを指します。
(se demander si) c’est du lard ou du cochon ?
「非常に近い(ほぼ同じ)ものの間で迷うこと、区別ができないこと」という意味の表現です。「lard」は「ベーコン」なので、直訳すると「ベーコンか豚か?」になります。ベーコンも豚の一部ですからね。
tout est bon dans le cochon
「何でも使えばいい、捨てるものはない」という意味の表現です。直訳すると「豚はすべて美味しい」になります。豚は足も耳も骨もすべての部位が料理に使えることから、この表現が使われています。英語にも「I eat everything on the pig except the squeal(日:叫び声以外は豚をすべて食べる)」という表現があります。ビジネスの場面では、比喩的に「あらゆるものが利益の源になる」という意味で使われます。軽蔑的には「豚は犠牲者で精神的、経済的、感情的な能力がすべて使われたり、奪われたりする、単純な者」という意味で使われます。
jeter des perles aux pourceaux (cochons)
日本語のことわざにもある「豚に真珠(価値のある物を価値の分からない人に与えても無駄)」という意味の表現です。「jeter」は「投げる」、「perles」は「真珠」、「pourceaux」は文章語で「cochon(豚)」、比喩的には「汚い(人)」を意味します。直訳すると「豚に真珠を投げる」になります。
フランス語では、「豚に真珠」の現代的な言い換えで「donner de la confiture aux cochons(豚にジャムを与える)」という表現もあります。「豚にジャムをあげても無駄」ということですね。
いかがでしたか?
「豚(cochon)」を使った表現は、他にもまだたくさんありますが、ここでは「豚」を使ったフランス語の表現10選をご紹介しました。
「豚」はネガティブな意味合いで使われる表現が多いですね。
是非、フランス語学習の参考にしてみてくださいね!