フランスでの結婚手続き

2020年3月9日

日本で日本人同士が結婚する場合、役所に紙一枚を提出して手続きは終了ですが、国際結婚となると様々な書類が必要だったりと手続きがとても大変です。

日本でフランス人と結婚することも可能ですが、ここでは私が実際に経験したフランス人とフランスで結婚するための手続き【初婚】についてまとめてみました。

これから、フランスでご結婚される方の参考になれば嬉しいです。

注意)役所や担当者によって必要書類が違ってきたりするので、あくまで参考程度にしてくださいね。

必要な書類を揃える

自分たちが住んでいる区の役所(婚姻場所)に行って結婚に必要な書類のリストをもらいます。上記の写真は、実際に私たちが役所で受け取った必要な書類のリストです。フランスでの結婚について色々書かれた冊子もくれました。
役所によって必要書類が異なる場合があるので、しっかり確認しましょう!

私たちが準備した書類はこちらです。 ↓

① パートナーの出生証明書(発行より3か月以内)
② それぞれの身分証明書の原本とコピー
③ それぞれの詳細情報を記入した用紙(役所で用紙がもらえます)
④ 3ヶ月以内の住居証明書(家賃や電気代などの公共料金の領収書)
⑤ 証人の詳細情報を記入した用紙と身分証明書のコピー
⑥ アポティーュ付きの戸籍謄本と改製原戸籍謄本(発行より6ヶ月以内)
⑦ 出生証明書(Act de naissance)
⑧ 独身証明書(Certificat de capacité matrimoniale)
⑨ 習慣証明書(Certificat de coutume)

上記のいくつかの書類を詳しく説明していきます。

フランスで婚姻手続きをする際は必ず証人(témoin)を立てなければなりません。証人の人数は最低2人で最高4人までです。フランス語が理解できる人が好ましいです。

これは日本で用意する書類です。アポスティーユ(Apostille)は日本の外務省の窓口に直接、戸籍謄本と改製原戸籍謄本の原本と申請書、身分証明書を提出すれば、翌日には受け取ることができます。申請や受け取りは郵送でも可能ですが、その場合、日数がかかります。
ちなみに、私は日本に一時帰国している間にこれらの書類を準備しました。アポティーユは委任状を作成すれば、代理申請もできるみたいです。
また、結婚後、在フランス日本大使館で日本側に婚姻届けを提出する際にも、戸籍謄本が必要なので、あらかじめ、余分に準備しておくことをお勧めします。

⑦⑧⑨の3点はアポスティーユ付きの戸籍謄本と改製原戸籍謄本があれば在フランス日本大使館でフランス語の証明書を発行してもらえます。証明書申請方法については在フランス日本大使館のHPに詳しく記載されています。

書類を役所に提出する

必要な書類が揃ったら2人で役所に書類を提出します。提出する際には役所に電話かインターネットで予約(RDV)を取る必要があります。担当者に書類をチェックしてもらい、不備がなければ、その場で婚姻日を決めます。

私たちのケース)
私たちはこの段階でかなり苦労しました。リストにある書類をすべて準備したにもかかわらず、アポティーユにフランス語の翻訳が付いていないと言われ、却下されたのです。
「えっ、どうして翻訳が必要なの?」と思いつつも、翻訳が必要との一点張りだったので、アポティーユのフランス語翻訳を法廷翻訳家に頼んでみたんですが、「アポスティーユは国際条約に基づき外務省が発行しているものなので、原則翻訳の必要はないはず」との回答。

念のため在フランス日本大使館にも問い合わせたところ、「必要ない」との回答。
再び、役所に足を運び、担当者に「翻訳は必要ない」と何度も説得するも納得してもらえず、結局、90ユーロを支払い、アポスティーユ2枚を法廷翻訳家の方にお願いして翻訳してもらいました。本来なら1回で済むはずが、私たちは5回ほど役所に足を運びやっとOKをもらいました。(OKをもらうのに1か月くらいかかりました。)

ちなみに他の区の役所で婚姻手続きをした友人はアポティーユの翻訳は不要でした。本来なら不要のはずでが、私のようなケースもあるかもしれないので、気を付けてくださいね。

結婚する日を決める

提出書類に不備がなく、OKがもらえたら、結婚する日を決めます。予約制なので担当者が予約の空いている日を教えてくれます。
また、セレモニー当日の通訳の有無も決めます。当日に市長が読み上げる婚姻の宣誓を理解しなければいけないので、もしフランス語がまったく理解できない場合は、通訳を付ける必要があります。ある程度、フランス語が理解できれば通訳は不要です。
セレモニーに参加するだいたいの人数も聞かれました。

私たちのケース)
私たちは書類提出から約1ヶ月後に結婚をしました。通訳は付けませんでした。

役所の掲示板に2人が結婚する旨が掲示される

結婚する日を決めてから、1週間ほどすると、役所の掲示場に2人が結婚する旨(La publication des bans)が10日間ほど掲示されます。紙には2人の名前、職業、住所が記載されます。
2人の結婚に異議を唱える人がいなければ、結婚できることになります。

役所で婚姻のセレモニーを行う

セレモニー当日は決められた時間に役所へ行き、市長の前で婚姻の宣誓を行います。もちろん証人も一緒に出席します。セレモニーが終われば、晴れて結婚が成立します。

セレモニーは本人たちと証人だけで、簡単に済ませてもいいし、ゲストを呼んでもOKです。服装も特に決まりはなく、普段着で済ませる人もいれば、ウェディングドレスを着たり、正装をして式に出席する人もいます。

セレモニーの最後に家族手帳(Livret de famille)がもらえます。これは日本で配偶者ビザを申請する際にも必要になるので、大切に保管しておきましょう。
セレモニー後は、自由です。家に帰って2人でゆったりしたり、レストランを貸し切ってパーティーをしたり、ホームパーティーをしたり、公園でパーティーをしたり、人によって様々です。

私たちのケース)
せっかくの機会だったので、私はウェディングドレスを着て出席し、セレモニーには合計20人くらいの友人や親戚を呼び、結婚を祝福してもらいました。
セレモニーの部屋(Salle de mariage)は思っていたより広く、シャンデリアや絵画もあり、とても素敵な部屋でした。セレモニー後は、知人のレストランを貸し切ってパーティーをしました。

在フランス日本大使館で日本側に婚姻届けを提出する

フランスで結婚が成立したら、3ヶ月以内に日本側にも婚姻届けを提出しなければなりません。
その際に必要な書類は以下の通りです。↓

①婚姻届け
②日本人配偶者の戸籍謄本
③婚姻証明書
④③の和訳文
⑤外国人配偶者の戸籍を証明する書類
⑥⑤の和訳文
⑦届け人のフランス滞在許可証(申請中の場合はパスポートのコピー)

書類についての詳細は在フランス日本大使館のHPに記載されています。

ここで説明したのは、フランスでの婚姻手続きから日本側への婚姻届け提出まででした。
その後は、配偶者ビザを取得するための手続きがまた必要になってきます。