フランスの赤ちゃんとビタミンD

はじめに

日本とフランスの育児の違いで驚いたのは、ビタミンD!

我が家は娘が生後6ヶ月の頃に、日本に一時帰国をしたのですが、実家でお風呂上りの娘にビタミンDを与えていると、実母が「赤ちゃんに何を与えているの?」と不思議そうに聞いてきました。私が「ビタミンDだよ。」と答えると驚いた様子でした。

それもそのはず、私は国に関係なく、赤ちゃんはみんなビタミンDを摂取するものだと思い込んでいましたが、日本では赤ちゃんにビタミンDを与えるという習慣はないらしいからです。

というわけで、今回はフランスの赤ちゃんとビタミンDについてお話したいと思います。

フランスの赤ちゃんとビタミンD

フランスでは赤ちゃんが生まれた翌日から赤ちゃんにビタミンDを摂取させるよう産院で指導されます。

私の場合、赤ちゃんが生まれた時から生後18ヶ月くらいまでは毎日欠かさずにビタミンDを与えるよう指導されました。お医者さんによると、生後18ヶ月~5歳くらいまでは定期的(冬季)にビタミンDを与えないといけないらしいです。大人でもビタミンDを摂る場合もあるとか。ビタミンDにはカルシウムの吸収を助ける役割があり、特に赤ちゃんや子どもには欠かせないビタミンだとのこと。

母乳にはビタミンDがほとんど含まれていないらしいので、特に母乳を飲んでいる赤ちゃんにはビタミンDは必須らしいです。

フランスに限らず、ドイツやベルギーといた他のヨーロッパの国々でも赤ちゃんにビタミンDを摂取させるよう指導があるみたいですよ!

こちらが私が実際に赤ちゃんに与えているビタミンDです↑

普段は写真左の ZymaD というビタミンDを与えていますが、時期によっては、たまに品切れの時があるので、そういう時は、写真右の adsrigyl というビタミンDを使用しています。

お医者さんから貰った処方箋があれば薬局で買えます。保険(Sécurité sociale )がきくので値段は2ユーロちょっとです。

これを1日1回、赤ちゃんに4滴与えます。我が家はお風呂上りに与えています。新生児の頃は赤ちゃんの上体を起こした状態で口の中に直接ビタミンDを垂らしていましたが、動き回るようになってからは、スプーンに4滴垂らして与えています。味はオレンジのような味で赤ちゃんでも飲みやすいようになっています。

フランス語のあるサイトによると、肌の色が濃い赤ちゃんや北の方に住んでいる赤ちゃんはさらにビタミンD不足になりやすいので、ビタミンDの量を多めに摂るみたいです。

ちなみに、記憶が曖昧ですが、新生児の頃にビタミンKも何回か与えていました。

ビタミンDを与える理由

フランスでビタミンDを赤ちゃんに与えるのは、下記のような理由があるからなんだそうです。

理由その① ヨーロッパは日照時間が少ないので、日光浴により十分なビタミンDを得ることが困難だそうです。これはヨーロッパに住んでいるからならではの理由ですね!確かにフランスの夏は短く、秋冬は長~くて太陽もあまりないんですよね。そりゃ、日光不足になるわけだ。

理由その② ビタミンDは太陽の光に当たることで、骨や歯の成長に必要なビタミンを作ることができますが、小さな赤ちゃんは肌がとても弱いので直射日光は避けないといけません。そのため、ビタミンDの摂取が必要になってくるようです。

理由その③ ビタミンDはサケやマス、マグロ、サバ、アンチョビなどの脂肪を多く含む魚や生の卵黄などにも含まれていますが、赤ちゃんが小さい頃はこれらの食べ物は食べれません。そのため、食べ物からビタミンDを摂取することも難しいのでビタミンDの摂取が必要になるみたいです。

個人的に言えることですが、パリは魚の値段が高いので、日本にいた時と比べて魚を食べる回数が確実に減りました。私の場合、パリに来てから魚は週1、2回しか食べていないような気が… それに加えて、冬場のパリは本当に太陽が少ないし、大人でもビタミンD足りているのかなーと心配になってきています。

ビタミンD不足になるとどうなる?

ビタミンDが不足すると「くる病」を発症しやすくなるようです。簡単に言えば、O脚になるなど骨が変形する病気みたいです。

フランスでは赤ちゃんへのビタミンDの摂取が義務化されてから、くる病の患者数はかなり減ったらしいです。

一方、日本では子どもの日焼けを気にしすぎて過度に日焼け止めを塗ったり、子どもとの外出を控えたり、美白にこだわり過度な紫外線対策をする妊婦さんが多かったり、栄養バランスの偏りにより妊婦さん自身がビタミンD不足だったりという理由などで子どものくる病が増加しているようです。でも一応、日本でもビタミンDのサプリメントは販売されているみたいですね。ただ、日本ではビタミンDの重要性に関する認知度はそれほど高くない様子。

確かに日本ではよくO脚の子どもや大人をよく見かけますが、フランスではO脚の人はあまり見かけないです。みんなシュッと真っ直ぐな足をした人が多いような気がします。これもビタミンDの影響なのかな?それとも、ただの遺伝?

おわりに

いかがでしたか?

以上、フランスの赤ちゃんとビタミンDについてでした。

ビタミンDは赤ちゃんや子どもの成長に欠かせないものですが、大人にとっても健康上必要なビタミンなので、パリに住む現在、紫外線対策はほどほどにして、できるだけ太陽の光をたっぷり浴びて日々を過ごしたいなと思っています。

赤ちゃんや子どもに限らず、大人もビタミンD不足には注意したいですね!