フランスでのアジア人差別

2020年2月4日

中国を中心に世界中で感染が拡大している新型コロナウイルス。

現在、フランスでも6人の感染が確認されています。

そして、最近はコロナウイルスが原因で「フランスでのアジア人差別」が相次いでおり、ニュースでもたびたび取り上げられています。

アジア人店員の接客を拒んだり、「中国に帰れ!」と罵声を浴びせたりする人もいたという話です。

フランスでは「アジア系=中国人」という印象を持っている人も多いので、もちろん日本人も差別の対象になってしまっているのが悲しい現実です。

SNS上では「#JeNeSuisPasUnVirus(私はウイルスじゃない)」というハッシュタグも拡散されたり、、、

実際はフランスに限った話ではなく、イタリアやオーストラリア、アメリカなど様々な国でもアジア人に対する差別が起きているみたいですね。

こういうニュースを聞くと、私も黒髪で見た目が超アジア人なので、中国人と勘違いされて差別されるんじゃないかと少し心配になりましたが、今のところ、避けられたりもしないし、冷たい視線を感じることもないし、知らない人でも気軽に声をかけてくれたり、お店の店員さんもとても親切に接してくれたりと、普段と変わらない感じです。

「フランスは差別が酷い」とよく耳にしますが、幸い、私自身はフランスに来てからまだ1度も差別的な被害に遭ったことはありません。

結局は差別する人はごく一部の人たちで、そういった人たちに出くわすか、出くわさないか運の問題だと思っています。

今回は健康に関わる新型の感染症なので、「差別」と「自己防衛」の線引きが難しいところでもありますね。

実際、ウイルス感染への不安や恐怖心から、私だってパリでマスクをした中国人観光客を見かけたら「できるだけ近寄りたくはないな」と思ってしまうのが本音です。

日本でも中国人観光客を見かけると警戒心を抱く人はたくさんいるのではないでしょうか。

なので、フランスの方々がアジア人を見ると避けたり、口元をマフラーで隠したりする行動は「しょうがない」というか心理的に「自然な行動」だなと思うので、これを「差別」と捉えていいのかなと疑問に思います。

とにかく今は、周囲の人を心配させないように&警戒されないように、咳やくしゃみはしないように頑張っています。

アジア人というだけで、周囲に配慮する生活を余儀なくしていますが、コロナウイルスの感染がちょっと落ち着くまではしょうがないかなという感じです。

一刻も早く状況が改善されることを願うばかりです。

【関連フランス語】

le racisme : 人種差別
raciste : 人種差別主義の、人種差別主義者
asiatique : アジアの、アジア人の、アジア的な
Asiatique : アジア人
antiasiatique : 反アジア人
susciter :(感情・考えなど)を引き起こす
l’inquiétude : 心配
la défense : 防衛
la prévention : 予防
tousser : 咳をする
éternuer : くしゃみをする